今日は独立記念日
6月26日は、マダガスカルにとって特別な一日です。この日は独立記念日(Fête de l’Indépendance)と呼ばれ、人々は国旗を掲げたり、パレードやコンサートに参加したりして、その歴史と誇りを祝います。
では、なぜこの日が記念日となったのか。その背景には、植民地支配から独立へと向かう歴史がありました。


(夫が参加した独立記念日式典の様子)
・マダガスカルが歩んできた道
マダガスカルは古来よりさまざまな民族が暮らし、多様な文化が花開いてきた島です。19世紀後半にはメリナ王国が広大な領土を治め、島は独自の政治体制と社会を築いていました。そんな中、19世紀末にフランスが進出を開始し、1896年に正式に植民地となってしまいます。この時代には現地の文化や伝統が制限され、経済や教育の分野でも現地の人々は不利な立場に置かれるなど、厳しい状況が続きました。
・独立への闘いと運動の広がり
第二次世界大戦後、世界各地で植民地からの独立を求める動きが加速します。その流れはマダガスカルにも広がり、1947年には独立を求める大規模な反乱(マダガスカル蜂起)が勃発。鎮圧はされたものの、人々が自由と自決を求める意志が国中に芽吹きました。その後も、独立に向けた対話や政治運動が着実に進み、1958年にはマダガスカル共和国が成立。さらに1960年6月26日、ついにフランスから正式に独立を果たすことになります。
・独立記念日と今のマダガスカル
6月26日は、単に独立したことを祝うだけでなく、先人たちが築いてきた努力と犠牲に感謝する一日でもあります。町中には国旗が翻り、伝統舞踊や音楽を楽しみ、各家庭ではごちそうが並びます。また前日25日には、前夜祭として花火が打ち上げられます。
ただ、一方で独立記念日には痛ましい出来事も起きたようです。2016年には、首都アンタナナリボで行われた記念イベント中に爆発事件が発生し、およそ90人が死亡するという大惨事となりました。
まとめ
独立から65年が経った今、マダガスカルはさまざまな課題を抱えているものの、独立記念日には国旗が街中に翻り、笑顔と歌声が響き渡ります。マダガスカルに暮らす人々にとって、6月26日は過去と今、そして未来を結ぶ意味深い一日となっているのです。
